※2006年〜2010年に投稿された100件の中から「おはなしオバケーター賞」に選ばれた作品です。
 

ちゅーっしゃの失敗。
作:甘楽

あるところに、女の子がいました。

女の子はある男の子が好きでした。

ここは学校の帰り道。女の子と男の子意外に、

人はいません。

しかし、ちゅーっしゃはいました。

「あの女の子はあの男の子が好きなんだ」

ちゅーっしゃは、いつものように、男の子に注射をうとうとします。

女の子はちゅーっしゃに気がつきました。

もうすぐで注射がうてる!

そう思ったちゅーっしゃですが、一瞬でその思いはきえました。

「あんた、なにやってんの?」

女の子が、ちゅ−っしゃをわしづかみしています。

「注射をうつんだよ。この注射をうてば、この男の子と両思いになれるよ。」

ちゅーっしゃの話はとても分かりやすいです。

しかし、女の子は納得がいかないようすです。

「あんたの力で無理に彼に好きになってもらいたくなんかない。バカにしないでよ。」

女の子はそんなことを言うと、ちゅーっしゃを野球ボールのように投げました。

ちゅーっしゃは空の彼方へ、飛んでゆきました。

 

ちゅーっしゃは飛びながら考えました。

 

人間って、複雑だなぁ。