※2006年〜2010年に投稿された100件の中から「おはなしオバケーター賞」に選ばれた作品です。
 

星と月の髪飾
作:りリリィ

「ん?これなぁに?ほうぽん。」

「え?知らないよ。何だろう。」

ちりりんとほうぽんが、公園をお掃除していたら、綺麗な星と月の髪飾りが落ちていました。

「何だと思う?バッジとか?」

「あー。そうかもしれないね!」

でもちりりんとほうぽんは、髪飾りをバッジだと、思いこんじゃったみたいです。

「じゃあ、後で交番に届けよう。」

そう言って、ちりりんとほうぽんは、また掃除を始めました。そこへ、空をふよふよと飛んで、吸いコムンがやって来ました。

「ねぇ。私の髪飾り知らない?」

「え?どんなの?」

「どんな形をしているの?」

ちりりんとほうぽんが、そう聞くと、

「えっとね、星の形と、月の形をしているの。」

「あっ、それってもしかして、」

「これの事?」

ちりりんとほうぽんが、あのバッジを出すと、吸いコムンは怒って言いました。

「それよ!あなた達が盗ってたのね。ヒドイ!」

吸いコムンは、飛んでいってしまいました。

「そんなぁ。僕達拾っただけなのに・・・」

「盗んだりなんかしてないのにねぇ!」

ほうぽんはすっかり怒ってしまいました。

少し考えて、ちりりんが言いました。

「でもさ、吸いコムンも、その事は知らなかったんだよね。言わないと、解からないもんね。」

「・・・そうだよね。今度誤解を解きに行こう」

その後、ちりりんとほうぽんが吸いコムンに説明したら、吸いコムンも許してくれて、謝ってくれました。

言わないと、解からない事もあるって、ちりりんとほうぽんは、学んだのでした。