My guitar is ………
作:†鳳凰†
弾けない、弾けない、弾けない!
何度練習しても弾けない。
こないだまで、思い通りに指を動かせてコードを押さえれてたのに…。
「何でだよ!」
「僕のギターを使いなよ」
「!?」
顔を上げると、アコギの姿をした変なのがいた。
「……オバケ?」
「そうだよ、僕はぎおたー。
僕のギターを使いなよ。僕のを使えば君は蘇るよ。」
「……無理だ」
オバケが首を傾げる。
「お前はアコギだ、俺はエレキ。
使い慣れてないから、無理だ。
それにこのギターは………」
少し黙り、再び話す。
「俺の相棒だから…
人のギターにも人の力にも俺は頼らない」
ぎおたーは少し悲しい顔をして俯いた。
しばらくしてぎおたーは視線を少年に向けた。
「無理にとは言わないよ。
ただ、僕からのアドバイス。
スランプの時は無理に弾かないで別のコトをしてごらんよ。
きっとギターが恋しくなってもまた弾けるようになるよ。」
柔らかい笑顔を少年に向け、ぎおたーはどこかへ消えていった。
「………。」
しばらく、何も話せなかった。
そして一言、少年は呟いた。
ありがとう、と。